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友罪 [読書]

薬丸岳の書く小説を初めて読んだ。
重い…。たまたま出会った友人が元殺人犯だったら…。
この小説の趣旨は、最初は知らなかった過去を知ってしまったことで、友人という関係が変わっていくことを題材にしている。
ただ、それだけではない。
登場人物の何人もが過去の自分を後悔し向き合っているのだ。
時に、その元犯罪者に励まされたり、罪状の大小に悩んだり、罪ではない好奇の目にさらされて、えぐられてる女性も登場する。
読めば読むほど重い。
故意に起こした殺人と、偶発的な事故による事故死と、その違いは何だろうか。
罪を償った人と、過去を捨てたい人との間にあるものは何だろうか。
答えがない。
物語の途中に出てくる、「親子関係の中で生まなければ犯罪者の親になることはない。」という趣旨の言葉に親の責任と家族とは何かを考えさせられる。

どの十字架も背負いたくない。
しかし、背負う可能性もある。

最後に救われる思いになるわけでもない小説だった。
最後に自分と向き合うことや過去と向き合うことで友罪となる。

読み終えて「ふっ」とため息がでる小説だった。

もっと明るい小説が読みたくなりました。





友罪 (集英社文庫)

友罪 (集英社文庫)

  • 作者: 薬丸 岳
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2015/11/20
  • メディア: 文庫



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