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たんぽぽ団地のひみつ [読書]

ようやく冬らしい天気になりましたが、日が出てると温かく、日向ぼっこしたくなります。
そんなときに、今回の小説を読んでみると、途中で居眠りなんかしちゃうわけです。
面白くないとかではなく、ちょっと一息つきながら読み進めていくのにちょうどいい小説でした。
売れない映画監督のインタビューから始まったお話はいつの間にやら、団地取り壊しの話になり、重松らしい人間ドラマを繰り広げながらも、その答えは書かない。人それぞれの答えを考えながら進んでいくので、ちょっと本をおいて、ぼーっとしてるうちにうとうとしちゃうんですよね。

あっ、そう言いながら寝てました。(笑)

急がず慌てず、ゆっくり自分のペースで読めるのが、なんだかとっても心地よかった。話の内容もファンタジーなところがあり、寝起きの夢みたいに、現実なのか、空想なのか、はたまたドラマ仕立てなのか、団地に起こる不思議な話なんです。
帯には「シゲマツ作品史上、最も幸福なエンディング」と書いてあったけど、演劇のエンドロールを思わせる終わり方でした。
ゆっくり楽しめました。

読み終わって...おはよう、始めようか?って感じです。





たんぽぽ団地のひみつ (新潮文庫)

たんぽぽ団地のひみつ (新潮文庫)

  • 作者: 重松 清
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2018/06/28
  • メディア: 文庫



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ビフォア・ラン [読書]

四十回のまばたきを読んだ解説に、重松清の最初の小説がビフォア・ランだということを知った。
そこで早速、購入をしたのである。
重松清のまさに原点だと思う。なぜ僕は重松作品が好きなのかと言われたとき、この青春小説が好きなんだと思った。ちょっと古くさい昭和の臭いで、こういう青春時代とは違う生活をしてきたのに、登場人物の気持ちがなんとなく理解できるのはなぜだろう。
今回のビフォア・ランは高校3年生の卒業までの物語。自分達が勝手に作ったトラウマが、真実に重なっていき、切ない卒業を迎える。まさに小説のなかで嘘と真実が重なりあいながら、どっかで嘘が真実に真実が実は自分のなかの嘘な部分になる。これが、重松青春小説の自分が感じてきたものと重なる。そうだったんだ、ビフォア・ランみたいなことを、いつも重松小説でしていたんだ。
もちろん自分は真面目が取り柄な高校時代を送ってきた。でも、それが本当の自分かどうかは今になっても答えはでない。こんなに青春時代だったらと思いながら、事実を嘘に変えているのかもしれない。

読みながら推理小説のように先を急ぎたくなるわけではない。恋愛小説みたいにドキドキするわけでもない。自分の高校時代と比べながら、ちょっぴり切なく、懐かしい感じがするのである。

小説の中の彼らはその後どんな人生を送っているのだろう。
そう考えながら、本を閉じる、どうやら僕はそんな小説が好きらしい。








ビフォア・ラン (幻冬舎文庫)

ビフォア・ラン (幻冬舎文庫)

  • 作者: 重松 清
  • 出版社/メーカー: 幻冬舎
  • 発売日: 1998/10/01
  • メディア: 文庫



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