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鬼の跫音 [読書]

知り合いに読んでる小説を聞くことがよくある。
多くの場合、素敵だと尊敬する方だ。

さて、道尾秀介のこの本を読んでいると教えてもらった。
6つの短編を集めた文庫本。どれもゾッとする最後を迎える。読んでいる途中で結末が想像できる部分がある。そこからがゾクゾクする。
予想した結末に向かっていくからである。直接は言葉として伝えず、その状況を想像できるような書き方をする。そのイメージだけを残して、物語は終わる。
なんとも不思議な感覚。

僕は根っからの怖がりだが、怖さの種類が違うように思う。
人が殺されるサスペンスであるが、殺されたことに注目されない。登場人物たちの心の部分が注目される。だから怖い。

鬼は人の心に住むのか、それとも普通を鬼に変えてしまう瞬間があるのだろうか。

さて、これを紹介してくれた人はどんな感覚でこの小説を読み進めたのだろう。それを考えるのが次の楽しみだ。





鬼の跫音 (角川文庫)

鬼の跫音 (角川文庫)

  • 作者: 道尾 秀介
  • 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
  • 発売日: 2011/11/25
  • メディア: 文庫



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ヴァルキリーズ [読書]

アルケミスト以来、気になる著者であるパウロ・コエーリョ。
今回は時間がかかった。とにかく言葉が入ってこない。この物語を物語としてフィクションとして受け入れようとしてきた。しかし、実際にパウロが体験したものだと、あとがきや、解説で知る。天使を探し天使と話すことを目的として旅に出るのだ。なんとも神秘的であるが、最後のところまで来て、フォーカシングであり、未来思考のアドラー心理学のような体験を天使との会話と呼んでいると感じた。
私たちは経験を通じて成長するが、経験が重い足枷となり、本来持つ力を信じられなくなることがある。
その足かせを外し、自分の内側の心を聞くために、人は自然を受け入れて、その偉大さのなかで、足枷の小ささを知らなければいけないのだと思う。
悟りを開くために、修行の旅に出るのと同じような感覚なんだろうか。

なかなか読み進めれない本を、最後に一気に読みきれたのは、次なる目標を与えてくれた人のお陰なのかもしれない。

やはり出会いで人は成長し、力を与えられる。




ヴァルキリーズ (角川文庫)

ヴァルキリーズ (角川文庫)

  • 作者: パウロ・コエーリョ
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA/角川書店
  • 発売日: 2016/06/18
  • メディア: 文庫



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