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私が語り伝えたかったこと [読書]

図書館でなぜか手に取った本。なんでだろう...。その時に意味はないようで、きっと意識しない意味が自分にはあったのだろう。
臨床心理学を日本のなかに浸透させ、心理学を治療として体系化してきた大きな偉人である。河合隼雄と言う名前は聞いたことがあったし少なからず興味があったが、これまでに何度もその前にいて、今はじめて手に取った。
こういうことが往々にしてあるから、読書はおもしろい。
そして、そこになぜだろうと考えさせるのも心理の面白さなのかもしれない。河合隼雄の対談や著作をいくつかまとめた本だった。時には語り口調で、別の場面は固い言葉で、家庭を子育てを、宗教を、文化を、国を個人を...。どれも同じ人からの発信である。心理とはまさにそういうものなのかもしれない。そのどれがひとつをつまんでこういう人だなんて理解しようとしちゃあうまくいかず、その人がなんでそう考えたんだろうと、一緒に考えながら寄り添うことで、自分に気づいたり、言葉にならんなら他の方法で表現させてみる。河合隼雄さんならそれが箱庭であり、その手段は療法家によって違えど言葉にできない部分での共感や寄り添いが心を癒すのだと。
そして、細かいところではない大きなところで、安心感をあたえることが、心の居場所になるってことを。違う角度から見えるように教えてくれる本だった。

喫茶店をいくつか回りながら自分の居場所をそれこそ探すように読んだ本だった。
あぁ、これまでは素通りできた、河合隼雄先生の本をこれからは手にとってしまうだろうなぁと思うのだった。

いや、以前にも何冊か読んだことがあるんだけども...。





私が語り伝えたかったこと

私が語り伝えたかったこと

  • 作者: 河合 隼雄
  • 出版社/メーカー: 河出書房新社
  • 発売日: 2014/03/27
  • メディア: 単行本



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