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ポジティブ心理学が一冊でわかる本 [読書]

久しぶりのポジティブ心理学の本ですね。
過去に行われてきた研究をもとに、テーマごとにまとめられた本で、とても読みやすく書かれている印象があります。ポジティブ心理学がこれまでの心理学とどのように違い、そして、学問として進んでいくために大切にしなければならないことも考えさせてくれます。私たちは常にポジティブであればいいのではないのです。やはり望まないことは起こるし、幸福だと思って進めていった結果が実際には幸福感を減らしていることに気づくことで、目の前の行動を変えることができるというヒントをくれるのです。
何事にも日の当たるところがあれば、陰になる部分があって、自分がそれをどちらから見るかということで生きやすくなるのならばやはり私はポジティブであれと思います。特に興味をもって読めたのは、情報社会となり多様性が認められ、選択肢が増えすぎることが逆に幸福感を減らすという「選択肢の多い時代を生き抜く」という章である。まさに、自分が感じていることへの解決策を教えてくれているようだった。
こうやって読書をすることで、今の自分の見方を変えることができるようになるというのは、日常の中でとても良いきっかけになった。





ポジティブ心理学が1冊でわかる本

ポジティブ心理学が1冊でわかる本

  • 出版社/メーカー: 国書刊行会
  • 発売日: 2015/03/13
  • メディア: 単行本



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フィンランドはもう「学力」の先を行っている [読書]

水と安全はタダと言われた国があった。
そうです、日本です。今はどうでしょうか。
私はどちらも高い買い物だと思います。
さて、フィンランドでは「教育」がタダなのだそうだ。
日本では教育にどれほどお金がかかっているのか…考えるだけでゾッとする。
そして、教育に対する考えが全く違う。
フィンランドの教育は、職業や人生に寄り添っている。なので、必要な段階で必要な教育を受けることができる。国籍に関わらず、教育は無償で提供されるのだ。
日本の将来なりたいことのために、戦後に決められた5科目の授業を覚えるのではなく、なりたい職業に向けた職業訓練を受け、実社会で実習をしながら再教育を受けることができる。
同じ「必要だから学ぶ」でも、考え方は全く違う。
本書の中にあった、フィンランドでは良き生産者を育てようとするが、日本では良き消費者を育ててしまうというのが心に刺さる。
これからは企業に勤めて仕事をもらうのではなく、自分で仕事を創っていかなければならない。この状況は全く同じなのにも関わらず、その課題に向けた取り組みは天と地の差がある。
コンテンツベースを続ける日本、コンピテンシーベースで走るフィンランド。
国際社会という同じ土俵に立つのは、これからの子どもたちである。


「いいのかなぁ…うちの子は」と思いながら読んでしまった。






フィンランドはもう「学力」の先を行っている――人生につながるコンピテンス・ベースの教育

フィンランドはもう「学力」の先を行っている――人生につながるコンピテンス・ベースの教育

  • 作者: 福田 誠治
  • 出版社/メーカー: 亜紀書房
  • 発売日: 2012/09/20
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



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子どもが主役の学校、作りました。 [読書]

世の中には、いろいろな学校がある。
そして、日本の教育制度はそれをなかなか受け入れようとしない。
それがよくわかる本である。
「自分の子どもにどんな教育を受けさせたいか」このことを考える時に二つの軸がある。
まずは親側の軸である。自分自身が受けてきた教育を受けさせるということだ。
いい学校で、いい成績をとって、いい会社に入る。
このパターンはこれからいつまで通用するのだろうか?現在すでに破綻しつつあるのにもかかわらず、相変わらず信者は多いし、自分もなんだかんだと言いながらも、自分の経験をもとに考えてしまう。
そして、もうひとつの軸は子どもの未来を見据えてである。
すると、自分と同じ教育を受けさせたのでは、生きていく社会が違いすぎると感じる。
そして必要なものは何か?と考えると、教科として教えられているものではないのかもしれない。

今回は自分の子どもが小学校に上がる際に、学ばせたことを公立学校や私立学校では教えてくれないということから学校づくりにチャレンジした体験談である。
しかし、文科省の認める学校とは、法律に縛られた学校のことで、まずはだれが作るのか、そしてどんな方法で定められたカリキュラムを教えるのか、など、戦後つくられた学校制度をそのまま引きずる法律のもとで認められた学校となる。
著者は、最終的にはインターナショナルスクールをつくった。日本の学校制度では残念ながら小学校を卒業したことにはならない。それでも、その教育を選ぶ人がいるということに、私は驚く。親が必要だと思うことを教えられる教育の権利を行使しているわけである。まさに本気の子育てである。

明治の頃に私塾として教えていたのと同じようであり、その頃は公立学校がなかったので私塾が広がり、のちの私立学校をつくっていった。だが、いま、私塾をつくっても学校とは認められないのである。なんだか頭の中が混乱するが、変わろうとしない教育行政への挑戦でもある。

やろうと思えばここまでのことができてしまい、そして仲間は集い、運営ができるのだ。
学校というものへの考えすら変わるような本であった。若干脚色が多いかなぁと思う部分が気になるのは別として…。





子どもが主役の学校、作りました。 (角川ebook nf) (角川ebook nf)

子どもが主役の学校、作りました。 (角川ebook nf) (角川ebook nf)

  • 作者: 竹内 薫
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2019/03/05
  • メディア: Kindle版



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どんなことからも立ち直れる人 [読書]

逆境をはね返す力「レジリエンス」の獲得法
一日で一気に読んだ。とても読みやすく、語りかけてくるような本だった。自分に必要な本だったのかもしれない。
レジリエンスのある人は問題に対処し、レジリエンスのない人は愚痴を言う。
自分の在り方を考えさせられる本だ。一人であることは、支配されることよりも幸せであり、常に準備した人が千載一遇のチャンスを手に入れる。
こんなにストレートに何度も何度も短い言葉で語りかけてくる。
プロアクティブ(対処する人)とリアクティブ(何もしない人)。
状況に応じた対応をすれば不幸ではなく、学べる。
状況に嘆く人は、何も学ばず、嘆き続ける。
今からでも変われる。どんな状況であれ環境であれ、自分の在り方が幸不幸を決める。
簡単そうで難しい。読んで納得できるが行動に移せるかというとそこが難しい。プロアクティブでなければならない。そしてレジリエンスがあれば現実を受け入れて、現実の中で行動できる。レジリエンスがなければ、現実を受け入れられず、間違ったことを信じる。
さて、私はこれからどうするか…






どんなことからも立ち直れる人 逆境をはね返す力「レジリエンス」の獲得法 (PHP新書)

どんなことからも立ち直れる人 逆境をはね返す力「レジリエンス」の獲得法 (PHP新書)

  • 作者: 加藤 諦三
  • 出版社/メーカー: PHP研究所
  • 発売日: 2019/11/16
  • メディア: 新書



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学校ってなんだ! [読書]

麹町中学校で定期テストの廃止、校則の自由化を進めた校長として時の人となった工藤勇一、劇作家で演出家の鴻上尚史の対談記録。日本の学校が今変わる時にきているのに、だれもが苦しみながら昔の方法を守ろうとする学校。そして社会と学校がどんどん異質なものになっていく。そんなことが学校の校則から生まれてきているということがよくわかる対談であった。読んでてすごく納得してしまう。子どもたちの取って大切なことは命を守ることなのに、教師は頭髪や服装にばかりうるさくて命がかかわることは割と見過ごしていく現状。学校は何をしに来るところなのかを改めて考えながら読める本であった。大人が決めたルールを守らないと怒られる。この形態を変えない限りは、子どもたちに主体性は育たない。それはルールに従うだけの子どもは何事にも当事者意識が生まれないからである。当事者に育てる。そういう機能が学校に必要で、髪型や服装をそろえさせることよりも大切なことを子どもたちは学ばなければならない。ルールによって本当は学ぶべき大切なことを学ぶ場所から排除されてしまう子どもがいる。あいさつ週間なんてのをつくって形式的な挨拶をさせることで喜ぶ人がいる一方で、それがプレッシャーで不登校の子どもは学校へ行く機会を失い、それを実行する教員はサービス残業でしかない。このような状況をどう捉え変えていくのかを二人が話していく。
そして、読み終わってみて、自分の中の当たり前がいかに薄っぺらいものだったかを実感している。子育ても同じである。大人は良くて子どもがするとダメというルールは親がたくさん作ってるし、子どもが遊んでいれば勉強しなさいというものの、その勉強はユーチューブを見ていることではない…学び方の方法は机に向かいノートとペンで…そういう価値観がいかに薄っぺらく時代遅れか。自分もそんなことしてるなぁと思いながら、そういう問題にしっかり論理だてて話をする工藤校長はさすがだなぁ。逃げないなぁと感心しっぱなしでした。





学校ってなんだ! 日本の教育はなぜ息苦しいのか (講談社現代新書)

学校ってなんだ! 日本の教育はなぜ息苦しいのか (講談社現代新書)

  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2021/08/18
  • メディア: Kindle版



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ポジティブ心理学 [読書]

「幸福」であることを目指す。
そのことで、経済的にも心理的にも身体的にも健康になる。
これまでの心の治療といえば、マイナスをゼロに戻すことであったが、これからはプラスを目指すことで社会を変えていこうという取り組み。2000年にアメリカのセリグマンによって提唱されたポジティブ心理学は、国内でも企業組織の中で実践を積んでいる。そもそも日本人は欧米に比べて、自分の幸せよりも集団に貢献しようとする文化があるように思う。そこで大切なことは自己犠牲ではない、自らも幸福である貢献が必要なのだ。人の役に立つということは確かに心の健康を育む。目からうろこというか、これまでの治す心理学から、創造する心理学へと変わっていく予感である。
単語としてはよく耳にしてきた「ウェルビーイング」について、深く考える一助となった。そして、ネガティブなことを指摘する傾向の高い学校教育でこそ、このポジティブ教育を行うことで、ネガティブキャンペーンの多いマスコミや政治を変えていくことができるようにも思う。





ポジティブ心理学 科学的メンタル・ウェルネス入門 (講談社選書メチエ)

ポジティブ心理学 科学的メンタル・ウェルネス入門 (講談社選書メチエ)

  • 作者: 小林 正弥
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2021/01/12
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



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アドラーをじっくり読む [読書]

定期的にアドラーの本は必要である。
「あぁ、こんなに大事なことを忘れていた」と改めて気づくことが多いからだ。
読んだときに、自分の状況に合わせて解釈した内容は、時間ともに状況とともに昇華されてしまう。
そして、また同じことを場を違う形で読むことによって、新しい道しるべを与えてくれるように感じる。アドラー全集を一冊ずつ読んでいくことも、それはそれでいいが、その中からキーワードをまとめてくれた今回の本を読むと、全集の一冊一冊をぱらぱらと読み返したような気持になる。全集の翻訳者が書いた本であるからまた読みやすい。
自分の子育てを振り返るきっかけになるだけではなく、自分自身の人生に責任を持つことが必要とされる。自分がどう育てられてきたかを言い訳にはできない。自分がどう生きていくかの問題だからである。そういうことを考えていくと、くじけそうになるが、多くのひとったちが同じように、人類のために生きることができる社会になれば、自分だけがという気持ちもなくなるだろうし、そう考えているうちはまだまだ学びの途中だと感じた。





アドラーをじっくり読む (中公新書ラクレ)

アドラーをじっくり読む (中公新書ラクレ)

  • 作者: 岸見一郎
  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 2017/10/13
  • メディア: Kindle版



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千里眼の復活 [読書]

いつだろうか、松岡圭祐の千里眼シリーズを知り合いに薦めたことがある。何を読もうか迷っているなら読んでみると面白いと思う…。とでも言ったのだろうか。当の本人は忘れていた。
ところが、ある時、「薦めてもらった千里眼に新しいのが出たんです」という言葉をかけられた。
こうやって本がつなぐ関係があるのかと嬉しく思った。そして、「買ったから貸しますよ」とこれまた嬉しい言葉をいただく。
他の本を読んでいながら並行して開いた千里眼。
前作のほとんどのストーリは忘れていたものの、読むうちになんとなくおぼろげに思い出す。そして、しっかりストーリーにのめり込んでいく。
前シリーズの内容は、表情から心理を見透かすというもので、いろいろな事件を解決していく。その、心理と表情についての解説が詳しく書かれているところに、現実の世界を重ね合わせてこんなことができるのかと、表情と心理にかんする本を何冊か読んだのを思い出す。
今回の物語では、その部分が薄かった。そして、表情筋を変えないことで、心理を読ませないというトレーニングを積んだ登場人物が何人も登場する。こうなると千里眼も使えないとなるので、物語が別の方向へ行ってしまう。そして、ほとんど戦争のようなテロ行為がおこり、前は現実の世界と行き来しながら読んでいた記憶だけが残っている自分としては少し残念な思いがした。
そう考えながら読み進めていたものの、いつの間にかしっかりとストーリーの展開にハラハラして読んでしまった。非現実的な内容だと思って物語を楽しんだが、こういう戦闘が実際にはどこかで起きている。平和ボケしているのは自分なのかもしれない。そして、自衛隊という組織を通して描写される大きな組織、階級社会の時代錯誤。こういう組織ではこれからの時代を守っていくことができないのではないか。しかし、平和だからこそこういう巨大組織が成り立っているようにも感じる。
巨大組織が細分化され、縦の組織が横に繋がる組織に変わってきている。そんなふうにやっぱり現実と重ね合わせながら読むことができるのが物語の楽しい部分である。このシリーズ、これからも注目だな。









千里眼の復活 「千里眼」シリーズ (角川文庫)

千里眼の復活 「千里眼」シリーズ (角川文庫)

  • 作者: 松岡 圭祐
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2021/04/23
  • メディア: Kindle版



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脳のなかの倫理 [読書]

認知神経科学の第一人者マイケル・S・ガザニガの本である。私たちは脳がその判断をし行動するが、実際に脳のどの部分がどのように働くのか。そして、科学と倫理と宗教の中で、私たちの責任や道徳はどのようにとらえられているのか。
ながーーーい時間をかけて読んだ本なので、詳細の内容を覚えていない。
それでもなんとか最後まで読み切ったという本である。
脳を薬で鍛えることは、ある時は治療であり、ある時は倫理的にどうとらえられるのか。
IPS細胞で治療するのと、クローンをつくるのとはどこに違いがあり、どのように倫理とバランスをとるのか。
記憶は、本当に正しいのか?何のために記憶するのか。忘れたことが私たちにどのような影響を及ぼすのか。
道徳的な信念は人類共通なのか?どのように判断されるのか。

一見興味深いが、その一つ一つを脳科学やニューロンの話として聞くと、思考停止になってしまう自分がいた。こういうのは理解できるどなたかに質問して説明してもらう方が、読むよりも自分の興味に沿って深められると思った次第である。汗





脳のなかの倫理―脳倫理学序説

脳のなかの倫理―脳倫理学序説

  • 出版社/メーカー: 紀伊國屋書店
  • 発売日: 2006/02/01
  • メディア: 単行本



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私が語り伝えたかったこと [読書]

図書館でなぜか手に取った本。なんでだろう...。その時に意味はないようで、きっと意識しない意味が自分にはあったのだろう。
臨床心理学を日本のなかに浸透させ、心理学を治療として体系化してきた大きな偉人である。河合隼雄と言う名前は聞いたことがあったし少なからず興味があったが、これまでに何度もその前にいて、今はじめて手に取った。
こういうことが往々にしてあるから、読書はおもしろい。
そして、そこになぜだろうと考えさせるのも心理の面白さなのかもしれない。河合隼雄の対談や著作をいくつかまとめた本だった。時には語り口調で、別の場面は固い言葉で、家庭を子育てを、宗教を、文化を、国を個人を...。どれも同じ人からの発信である。心理とはまさにそういうものなのかもしれない。そのどれがひとつをつまんでこういう人だなんて理解しようとしちゃあうまくいかず、その人がなんでそう考えたんだろうと、一緒に考えながら寄り添うことで、自分に気づいたり、言葉にならんなら他の方法で表現させてみる。河合隼雄さんならそれが箱庭であり、その手段は療法家によって違えど言葉にできない部分での共感や寄り添いが心を癒すのだと。
そして、細かいところではない大きなところで、安心感をあたえることが、心の居場所になるってことを。違う角度から見えるように教えてくれる本だった。

喫茶店をいくつか回りながら自分の居場所をそれこそ探すように読んだ本だった。
あぁ、これまでは素通りできた、河合隼雄先生の本をこれからは手にとってしまうだろうなぁと思うのだった。

いや、以前にも何冊か読んだことがあるんだけども...。





私が語り伝えたかったこと

私が語り伝えたかったこと

  • 作者: 河合 隼雄
  • 出版社/メーカー: 河出書房新社
  • 発売日: 2014/03/27
  • メディア: 単行本



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