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学校ってなんだ! [読書]

麹町中学校で定期テストの廃止、校則の自由化を進めた校長として時の人となった工藤勇一、劇作家で演出家の鴻上尚史の対談記録。日本の学校が今変わる時にきているのに、だれもが苦しみながら昔の方法を守ろうとする学校。そして社会と学校がどんどん異質なものになっていく。そんなことが学校の校則から生まれてきているということがよくわかる対談であった。読んでてすごく納得してしまう。子どもたちの取って大切なことは命を守ることなのに、教師は頭髪や服装にばかりうるさくて命がかかわることは割と見過ごしていく現状。学校は何をしに来るところなのかを改めて考えながら読める本であった。大人が決めたルールを守らないと怒られる。この形態を変えない限りは、子どもたちに主体性は育たない。それはルールに従うだけの子どもは何事にも当事者意識が生まれないからである。当事者に育てる。そういう機能が学校に必要で、髪型や服装をそろえさせることよりも大切なことを子どもたちは学ばなければならない。ルールによって本当は学ぶべき大切なことを学ぶ場所から排除されてしまう子どもがいる。あいさつ週間なんてのをつくって形式的な挨拶をさせることで喜ぶ人がいる一方で、それがプレッシャーで不登校の子どもは学校へ行く機会を失い、それを実行する教員はサービス残業でしかない。このような状況をどう捉え変えていくのかを二人が話していく。
そして、読み終わってみて、自分の中の当たり前がいかに薄っぺらいものだったかを実感している。子育ても同じである。大人は良くて子どもがするとダメというルールは親がたくさん作ってるし、子どもが遊んでいれば勉強しなさいというものの、その勉強はユーチューブを見ていることではない…学び方の方法は机に向かいノートとペンで…そういう価値観がいかに薄っぺらく時代遅れか。自分もそんなことしてるなぁと思いながら、そういう問題にしっかり論理だてて話をする工藤校長はさすがだなぁ。逃げないなぁと感心しっぱなしでした。





学校ってなんだ! 日本の教育はなぜ息苦しいのか (講談社現代新書)

学校ってなんだ! 日本の教育はなぜ息苦しいのか (講談社現代新書)

  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2021/08/18
  • メディア: Kindle版



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