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夜間中学へようこそ [読書]

ノンフィクションかなぁと思って、図書館で手にした本。
小説でした。でも、ノンフィクションだったらもっとよかったなぁと思わせる本でした。
どこかでこういう物語が起こっているのだと信じたい。
中学へ入学する女の子のお祖母ちゃんが夜間中学に通うと言い出したってところから始まる物語。
小説なんだけど、学ぶってこういうことだよなぁ。いつまでも学ぶってことが生きがいになるんだよなぁって考えさせられる小説だった。
学校に通うことは義務ではない。私たちが学ぶことは権利であって義務ではない。
大人には子供を学校に通わせる義務があるだけだ。
学ぶことは義務ではない。学ぶことは喜びなんだと思う。
そういうことが中学校の頃からわかるような学校にならなきゃいかんと思う。
どうして、学ぶことが義務だと、いやいやでも学ぶんだとなってしまったのだろうか…。
いろいろ考えさせられる物語。確かに、起こる事件が見事にうまく解決していく、現実ならこうは簡単にいかないだろうなぁと読み終えて思う。
でも、やっぱりノンフィクションだったらよかったのになぁ。





夜間中学へようこそ (物語の王国)

夜間中学へようこそ (物語の王国)

  • 作者: 山本 悦子
  • 出版社/メーカー: 岩崎書店
  • 発売日: 2016/05/14
  • メディア: 単行本



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過去と和解するための哲学 [読書]

題名を見て、手に取った本である。
一日で一気に読み終えた。そして、私が自身の過去とどう向き合うべきかを考えるためにこれまでに多くの同様の本を手に取った。そう、アドラー心理学もその種の本である。
ただ、今回は哲学である。心理学と哲学は似たような領域を行き来するが、その語り方は違うように素人ながら感じる。
この本は「哲学」とあるだけに、一つのキーワードをもとに難しく展開する。そのキーワードはハビトゥス(心の習慣)であった。ネットで調べてみると、行為によって獲得された習慣ともある。
読むにつれて思うことは、つらい過去を持つもの(すべての人が過去を持ち、それをどうとらえているかの違いなのだと思うが)にとって、その状態、その感覚、その憎悪、その苦しみ…よくわかると感じる部分がかなりある。ところが、これを解決する方法は、「和解せよ」となる。
結局は、自分で向き合って未来志向で過去を捉えなおす必要があるという点では、アドラーの考え方と同じ所へたどり着く。その方法が言葉を巧みにとらえなおし、現象を多面的に見直し、言い直すという哲学的手法だったということだ。
そして、最後は「答えのないことが答えだ」ときたもんだ。その通りと言ってしまったが、その結論に至るまでにいろいろな考え方をしたものだから、納得できる。これが、最初に書いてあればきっと納得どころか、何を当たり前のことをということになっていたのかもしれない。
物事の捉え方や、過去の考え方を見直させるための、いくつかの金言が込められた本であった。





過去と和解するための哲学

過去と和解するための哲学

  • 作者: 山内 志朗
  • 出版社/メーカー: 大和書房
  • 発売日: 2018/03/24
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



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心理学の名著30 [読書]

こういった本はあまり手に取ることはなかった。
夏の読書などのような、例えば角川文庫や本屋さんにある本の紹介用の冊子には手を伸ばすことはあっても、専門書の名著を紹介するような本は、それを読んで理解したつもりになるのが情けないと思ったからか、興味のある本にはいつの間にかたどり着くと考えていたのか・・。無料配布されていれば手に取るが、お金を払って読む本ではないと思っていたのか(とはいっても図書館で借りてきたのだが…。)
今回は、著者(サトウタツヤ)に興味があった。人間心理学とはどんなものかと思い著書を調べたところ、この本が出てきたのだ。そして、この本がとっても面白く学びになった。
紹介された本の中で読んだり、見かけたりした本は何冊かある。あの厚みのある本をこれだけの文章で、しかも、サトウタツヤらしく紹介するのだ。って、サトウタツヤという人物にあったことがあるわけでもなければ、この著書しか読んでいないのだけれども。
それでも、なんとなく人となりがわかる本であった。そして、あぁ、この本を実際に読んでみたいなぁと思う本がいくつかあった。
本の紹介に使われる文章の中には、その扱われた内容の説明があるが、きっとこれは原書の中の言葉ではなく、サトウタツヤという人の考えや言葉なんだろうと思う部分がかなりたくさんある。そうでなければただの要約集になってしまうので、それで当然なのだが、その言葉の使い方や言い回し、そして、はっとされるような表現がとても心に残る。特に下記の一文は、道徳性心理学についての説明の中にある一言だ。
正義の反対語は「悪」だと思っている人が多いが、そうではない。正義の反対語は「もう一つの正義」である。
この言葉は考えてみれば当然だが自分の今の現状の中では「悪」ととらえていた。だから目の前が開けるような思いがした。
心理学を大まかに体系的に見るために、先行研究として歴史的にどのようなことが考えられていたのかを簡単に振り返るのにも良書だと感じた。





心理学の名著30 (ちくま新書)

心理学の名著30 (ちくま新書)

  • 作者: サトウ タツヤ
  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 2015/10/05
  • メディア: 新書



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