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アドラーをじっくり読む [読書]

定期的にアドラーの本は必要である。
「あぁ、こんなに大事なことを忘れていた」と改めて気づくことが多いからだ。
読んだときに、自分の状況に合わせて解釈した内容は、時間ともに状況とともに昇華されてしまう。
そして、また同じことを場を違う形で読むことによって、新しい道しるべを与えてくれるように感じる。アドラー全集を一冊ずつ読んでいくことも、それはそれでいいが、その中からキーワードをまとめてくれた今回の本を読むと、全集の一冊一冊をぱらぱらと読み返したような気持になる。全集の翻訳者が書いた本であるからまた読みやすい。
自分の子育てを振り返るきっかけになるだけではなく、自分自身の人生に責任を持つことが必要とされる。自分がどう育てられてきたかを言い訳にはできない。自分がどう生きていくかの問題だからである。そういうことを考えていくと、くじけそうになるが、多くのひとったちが同じように、人類のために生きることができる社会になれば、自分だけがという気持ちもなくなるだろうし、そう考えているうちはまだまだ学びの途中だと感じた。





アドラーをじっくり読む (中公新書ラクレ)

アドラーをじっくり読む (中公新書ラクレ)

  • 作者: 岸見一郎
  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 2017/10/13
  • メディア: Kindle版



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ドキュメント [小説]

湊かなえの小説、そう少し前に読んだブロードキャストに続く物語。放送部が全国大会を目指して、行くわけだが、そのために選んだ題材は駅伝。陸上部を目指して入学した少年はケガで放送部を選んだのだが、その駅伝をテーマにドキュメントを作ろうとしたところから、話は違う展開に。ドローンを手に入れるためにではないが、ここでもマラソンが関係してきて話題盛りだくさんの物語だ。そして、そんなドローンが、捉えた映像が問題となり、陸上部も一悶着。さて、全国大会は?と、期待させておいて…そういう展開になるのねと、二転三転の青春ドラマだった。
先輩が抜けてこの三人はこのあとどうなっていくのかなぁ?
そんなことが、気になるところでクライマックス。こりゃ、このシリーズは続くのか?と期待しながら本を閉じた。









ドキュメント

ドキュメント

  • 作者: 湊 かなえ
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2021/03/25
  • メディア: 単行本



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千里眼の復活 [読書]

いつだろうか、松岡圭祐の千里眼シリーズを知り合いに薦めたことがある。何を読もうか迷っているなら読んでみると面白いと思う…。とでも言ったのだろうか。当の本人は忘れていた。
ところが、ある時、「薦めてもらった千里眼に新しいのが出たんです」という言葉をかけられた。
こうやって本がつなぐ関係があるのかと嬉しく思った。そして、「買ったから貸しますよ」とこれまた嬉しい言葉をいただく。
他の本を読んでいながら並行して開いた千里眼。
前作のほとんどのストーリは忘れていたものの、読むうちになんとなくおぼろげに思い出す。そして、しっかりストーリーにのめり込んでいく。
前シリーズの内容は、表情から心理を見透かすというもので、いろいろな事件を解決していく。その、心理と表情についての解説が詳しく書かれているところに、現実の世界を重ね合わせてこんなことができるのかと、表情と心理にかんする本を何冊か読んだのを思い出す。
今回の物語では、その部分が薄かった。そして、表情筋を変えないことで、心理を読ませないというトレーニングを積んだ登場人物が何人も登場する。こうなると千里眼も使えないとなるので、物語が別の方向へ行ってしまう。そして、ほとんど戦争のようなテロ行為がおこり、前は現実の世界と行き来しながら読んでいた記憶だけが残っている自分としては少し残念な思いがした。
そう考えながら読み進めていたものの、いつの間にかしっかりとストーリーの展開にハラハラして読んでしまった。非現実的な内容だと思って物語を楽しんだが、こういう戦闘が実際にはどこかで起きている。平和ボケしているのは自分なのかもしれない。そして、自衛隊という組織を通して描写される大きな組織、階級社会の時代錯誤。こういう組織ではこれからの時代を守っていくことができないのではないか。しかし、平和だからこそこういう巨大組織が成り立っているようにも感じる。
巨大組織が細分化され、縦の組織が横に繋がる組織に変わってきている。そんなふうにやっぱり現実と重ね合わせながら読むことができるのが物語の楽しい部分である。このシリーズ、これからも注目だな。









千里眼の復活 「千里眼」シリーズ (角川文庫)

千里眼の復活 「千里眼」シリーズ (角川文庫)

  • 作者: 松岡 圭祐
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2021/04/23
  • メディア: Kindle版



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