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心理学の名著30 [読書]

こういった本はあまり手に取ることはなかった。
夏の読書などのような、例えば角川文庫や本屋さんにある本の紹介用の冊子には手を伸ばすことはあっても、専門書の名著を紹介するような本は、それを読んで理解したつもりになるのが情けないと思ったからか、興味のある本にはいつの間にかたどり着くと考えていたのか・・。無料配布されていれば手に取るが、お金を払って読む本ではないと思っていたのか(とはいっても図書館で借りてきたのだが…。)
今回は、著者(サトウタツヤ)に興味があった。人間心理学とはどんなものかと思い著書を調べたところ、この本が出てきたのだ。そして、この本がとっても面白く学びになった。
紹介された本の中で読んだり、見かけたりした本は何冊かある。あの厚みのある本をこれだけの文章で、しかも、サトウタツヤらしく紹介するのだ。って、サトウタツヤという人物にあったことがあるわけでもなければ、この著書しか読んでいないのだけれども。
それでも、なんとなく人となりがわかる本であった。そして、あぁ、この本を実際に読んでみたいなぁと思う本がいくつかあった。
本の紹介に使われる文章の中には、その扱われた内容の説明があるが、きっとこれは原書の中の言葉ではなく、サトウタツヤという人の考えや言葉なんだろうと思う部分がかなりたくさんある。そうでなければただの要約集になってしまうので、それで当然なのだが、その言葉の使い方や言い回し、そして、はっとされるような表現がとても心に残る。特に下記の一文は、道徳性心理学についての説明の中にある一言だ。
正義の反対語は「悪」だと思っている人が多いが、そうではない。正義の反対語は「もう一つの正義」である。
この言葉は考えてみれば当然だが自分の今の現状の中では「悪」ととらえていた。だから目の前が開けるような思いがした。
心理学を大まかに体系的に見るために、先行研究として歴史的にどのようなことが考えられていたのかを簡単に振り返るのにも良書だと感じた。





心理学の名著30 (ちくま新書)

心理学の名著30 (ちくま新書)

  • 作者: サトウ タツヤ
  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 2015/10/05
  • メディア: 新書



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