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でーれーガールズ [読書]

勝手に春の読書週間2冊目です。
原田マハさんの小説はさらさらとした文章がふりかけられていくような感じがする。ハキハキとしたと言うのか、さっぱりとしたと言うのか、ダラダラと長い文書はあまりなく、読んでいてリズムがいい感じだ。
今回は高校時代の親友との思い出と現在を行きつ戻りつしながら物語が進んでいく。岡山弁を丸出しにした小説である。きっとマハさんも岡山出身だろうなぁなんて思いながら著者紹介をみると東京出身とある。解説まで読んでやはり高校時代は岡山で生活して居たことや、その頃の思い出と重ねながらの物語であることがわかりスッキリ。
人気漫画家となった卒業生を母校の創立記念日に講演者として呼ぶところから始まるこの物語は過去の自分や友達との関係、そして漫画家となるきっかけを30年という時間を越えて一つの物語にしている。高校生の恋心と不思議な恋の三角関係はマンガであり現実であり、時間と空想が縦糸と横糸のようにひとつになたっていた。
ちょっと予想外で切ない終わり方はなんとなく理不尽でもったいないような感じがした。人生なんてそんなものさと言ってしまえばそれまでである。





でーれーガールズ (祥伝社文庫)

でーれーガールズ (祥伝社文庫)

  • 作者: 原田 マハ
  • 出版社/メーカー: 祥伝社
  • 発売日: 2014/10/10
  • メディア: 文庫



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小説 言の葉の庭 [読書]

こういう小説久しぶりに読んだなぁ。
図書館で春に向けて読む本を探して手に取った本のうちの一冊。
甘酸っぱい恋がバトンのようにつながっていく。万葉集を区切りにしながら。
吸い込まれるように一日で読み切ってしまった。
もともとはアニメだったものを小説に書きだしたそうだ。
アニメーション監督が言葉の力を見事に使いこなしたわけだ。一人のというよりも一つの家族の周りにある恋が時に切なく、そして共感をしながら進んでいく。あぁ、物語だけど、想像して、入り込む自分の思い。まさに意図したように踊らされながら読み進める感じだ。
もっと大人になりたいと思った中学生が二十歳になったとき、もっと大人の女性を笑顔にできる。年上の女性にひかれて背伸びする男の子の気持ちがすごく気持ちを高ぶらせる。
そして、読む中で思う視点に、親が良くも悪くも子どもに与える影響である。早くに子どもを産んだ母親がそれでも女性として輝きたいと背伸びするように集めた靴が子どもの未来を作ることになっていくことが、共感できるけれども、どこかで怖い。自分が意図せずにしていることがいつか子どもの未来に影響を与えていくんだと物語と現実の真ん中で考えてしまう。
小説を読みながら、ふと恋する自分に気づく。想像と現実の中間をこういう物語は与えてくれる。早く答えを知りたいと思うミステリーとは違い、早く君に会いたいと思って読み進めることになる。
その君は物語の中の一人なのか、自分の人生を振り返りながら考えてしまう。
この状況、どっかで…は他の小説なのか、現実なのか…すっかり自分も登場人物の一人になりそうな勢いだ。何も変わらずにかつての旧友に「なんかあったら俺だけには相談しろよ」と声をかけて「キモイ」と言われた男子校に通う彼・・・そんな彼でさえ、この物語に登場していることをうらやましく思えた。
なんかとっても若返る、あぁなんかこの世界観にすっかりハマってしまった。
春ですね。





小説 言の葉の庭 (角川文庫)

小説 言の葉の庭 (角川文庫)

  • 作者: 新海 誠
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA/メディアファクトリー
  • 発売日: 2016/02/25
  • メディア: 文庫



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十字屋敷のピエロ [読書]

本屋で一面にならぶこの本を見つけて、東野圭吾の新作かと思い手に取った。
電車の移動や待ち時間なんかに、少しずつ読むのには小説がちょうどいい。
そんなわけで、ほかの本当並行しながらゆっくりと読んでいた。
でも、今日図書館でたくさん本を借りてきたのでまずはここから読み切ってしまおうと思った次第。
呪われた不吉なピエロの人形はゆく先々で持ち主に不幸が起こる。なんとなくピエロの魔力のようなものを想像しながら読み進めた。この事実を告げに来る人形師がまた不気味な存在。そんな中で起こる殺人事件の数々。何人もの関係者がいる中で、だれがどうやって殺していくのか…。途中で入るピエロの視点はその事件のヒントを与えるが答えは出さない。そして、犯人の使ったトリックから、この十字屋敷の意味が見えてくる。最終的につかまった犯人の向こうに、驚きの真実が隠されていることに、東野圭吾の奥深さが見えた。
この小説を読み終えて、解説を読みながら驚くことがもう一つ。これは1992年に書かれた小説だということ。今から30年ほど前。さて、その頃の私はまだ中学生だったのかな。新刊だと思って読んでいた自分は物語に古さを感じていなかった。書店に並んだ小説はイラストカバーで変身していたのだ。この内容で590円だったのにも納得。1992年の小説だと知っていたら買わなかっただろうなぁ。まんまと騙されたのだ。それも不快ではない。さて、この小説のピエロの人形はその後、だれの元へ行ったのか…そして今はどこにあるのか?そんな想像さえしてしまう。中学校の私ならどんな感想を持っただろうか?
小説を読み終えてこうやっていろいろ空想させてもらえるのもまた楽しい。





十字屋敷のピエロ (講談社文庫)

十字屋敷のピエロ (講談社文庫)

  • 作者: 東野 圭吾
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 1992/02/04
  • メディア: 文庫



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さいはての彼女 [読書]

原田マハさんの小説。本屋さんで元気を探していたときに見つけた一冊。
へこんだ時、壁にぶつかった時、心をリセットできる1冊です。の表紙。

4つの短編からなる小説。思いがけないきっかけで旅をする。ああ!こんな旅してみたいな、バイク乗りたいと思う、そんな小説だった。

旅の中での出会いが、うまくいかない現状の見方を変えてくれる。そうして、新しい見方で振り返って自分自身を見つめ直すことで、また現実の世界へと戻っていく。

なんだかとってもいい気分で読むことができた。

「最悪の事態に直面したとき、一時間後に立ち直っている自分を想像できるか。それができる人は、一年後、十年後、必ず成功する人です。」
小説中の一文。

僕も立ち直る自分を想像したい。そう思わせる小説でした。





さいはての彼女 (角川文庫)

さいはての彼女 (角川文庫)

  • 作者: 原田 マハ
  • 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
  • 発売日: 2013/01/25
  • メディア: 文庫



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