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勝利を呼び込む身体感覚の磨き方 [読書]

怪我をすると自分の動作に問題があることがわかる。ちゃんとした病院に行くと、理学療法士や作業療法士が教えてくれる。そのリハビリはイコール、トレーニング。
でも、そうしているうちに痛みは消える。なんとなく言われたことをやっているうちに、動作が変わっているのだろうが、それは本人には漠然としかわかっていない。
さて、そういうことを経験してくると、自分の動作についてもっと知りたくなる。
そんなことから、今回この本を手に取ったのだが、肩甲骨の使い方や、股関節の使い方について多く書かれている。が…言葉で内旋外旋、内転外転と言われてもちんぷんかんぷん。読みながらできる範囲で、ごそごそ動いているから周りにいる人は「こいつ何やってんだ?」というように見られているんだろうな。
しかし、写真をどう駆使してもやはり理解ができないことが多い。身体感覚を言葉にするとは本当に難しいことだと思う。著者である小山田さんも本書の最後にそこを指摘している。
動作に興味を持ったほうが、一つ一つ聞いてくれないと教えようがない。教えたところで全く理解されない。だから相手に聞かれたことを答えながら反応をみるというようなことが書かれていた。一つの動作を覚えるのには毎日の生活の中で年単位のトレーニングが必要となる。
それくらい、生まれてから自然に覚えた動作を修正するのは難しいのだろう。その自然の動作にしても誤ったものを身に着けた結果や、言葉での表現と動作が一致しないことから覚えたものが多いという。
結構時間をかけて読んでみたものの、かなり漠然としたイメージがちょっとだけ垣間見れた程度だった。怪我をして初めて自分の動作に無理があることに気づき、ながいリハビリの中で修正していく。そのことを怪我したことのない若者に伝えても理解されない。
結局、きっかけが本であっても、じっくり学ぶしか方法はない。一読しただけでは難しい。





トップアスリートに伝授した 勝利を呼び込む身体感覚の磨きかた

トップアスリートに伝授した 勝利を呼び込む身体感覚の磨きかた

  • 出版社/メーカー: 創元社
  • 発売日: 2019/02/20
  • メディア: 単行本



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ジヴェルニーの食卓 [読書]

私は美術館や美術品に興味がない。中でも絵画をみて感動したことがない。
20代のころ、海外旅行に行き、有名な美術館をいくつか訪れた。しかし、美術品の前をするするとすり抜けていくばかりで、入場料を払う価値があるのか?と疑問に思ってから行くことが無くなった。
40歳をこえて、そんな自分が情けなくもある。

さて、今回は美術品や有名な画家にまつわる短編小説集である。
横文字の名前はどうも頭に入ってこない。どの小説も、最初は何を言っているのか情景が浮かんでこない。それでも読み進めていくとパッと一つの情景が浮かび上がる。
ん??これって絵画と同じか?なんてちょっとした発見をしたような気になり、その画家と作品をネットで調べてみる。この物語の向こうに、この絵画があるのか…いや逆かな、この絵画を見てこの物語が生まれたのかと思うと、絵が点ではなく線や立体に感じる。
おお、初めての感覚だ。
原田マハさんの小説に新しい顔を見つけた、そんな感じがする。テーマは同じでも見せ方は、手紙であり、死後であり、生活であり、回想録である。こうやって物語をいくつも創造できるのはさすがプロの仕業だと思う。
多くの画家が最初から売れたわけではなく、それでも描きたいと思う創作意欲や、一枚の絵画を描き始めたきっかけ、先見の明などが伝わってくる。時々、眠くもなったが、それでも夢から覚めてまた小説を手に取る。こういうのがいいなぁと感じた。

いい時間を過ごすことができた。紹介してくれた人に感謝である。





ジヴェルニーの食卓 (集英社文庫)

ジヴェルニーの食卓 (集英社文庫)

  • 作者: 原田 マハ
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2015/06/25
  • メディア: 文庫



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ユダヤ人大富豪の教え [読書]

こういう自己啓発本は好きである。これまでにも何冊も読んできたし、その度に納得し頷きながら、変わらない人生を送っている。それをどこかで自分自身が望んでいるのかもしれない。そうかこんな簡単なことで人生は変わり、夢のような未来が...と思いながら読み進め本を閉じて、変わらぬ現実を同じように生きている。
たくさんの言葉をノートに書き写し、確かにそうだよなぁと納得しながら...。
やっぱり今が変えられない。だから未来も変わらない。
不満足ではない...不安だからやれないと思いながら、今の自分にある種の満足もある、
これからもまたこういう本を何冊も読むんだろうなぁ。面白い読み物として。
最後まで読んで、実際のことを振り返りながら、書いたとある。求める人は求めたものを手に入れる。強く求めることが必要なんだなぁ。





ユダヤ人大富豪の教え 幸せな金持ちになる17の秘訣 (だいわ文庫)

ユダヤ人大富豪の教え 幸せな金持ちになる17の秘訣 (だいわ文庫)

  • 作者: 本田 健
  • 出版社/メーカー: 大和書房
  • 発売日: 2006/02/09
  • メディア: 文庫



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奇跡の人 [読書]

久しぶりに読み終わってゾクゾクと心臓が高鳴る。
すごい小説に出会ってしまった…という思いである。人を育てる、人を愛するということの先にこういう物語があるのだろうと、ページをめくるたびに残るページ数にもっと教えてほしい、その先はどうなるのか、どうやってこの物語を閉じるのか・・・ページをめくることがもったいないと思う一方で、その先を知りたくて仕方ないという思いが混ざり合うとても良い感覚である。
この物語は、ヘレンケラーとサリバン先生の話を日本に場面を移して、見事な小説にしている。これまでに読んできた原田マハとは趣の違う小説であった。
日本初の「無形文化財」として、津軽三味線の老女を推薦するために真冬の東北へ向かうところから始まる。なんとも読みにくいなぁと思いながら読みだしたのだが、突然物語は、弱視で将来は全盲になるであろう娘を日本初の海外留学させるシーンへ変わる。障碍を抱えながらも強く生き、女子教育に塚らを注ごうとする女性のお話かと思えば、そこから耳も聞こえず、目も見えない少女と出会いから、教育者としての試行錯誤と気づきや愛情と厳しさ、諦めない強い志を根っこにした物語が展開する。ふと、最初に出てきた津軽三味線の老女は誰だっけ?と思いながら、読み進めると、しっかり最後に答えを教えてくれる。
私の言葉不足と説明下手できっと伝わらないと思うが、大きな感動を与えてくれるのは、半分がヘレンケラーとサリバンの事実と、その事実に物語としてのさらなる力を与えているからなのかもしれない。
読み終わったこの感覚をどう伝えたらいいのか…。





奇跡の人 The Miracle Worker (双葉文庫)

奇跡の人 The Miracle Worker (双葉文庫)

  • 作者: 原田 マハ
  • 出版社/メーカー: 双葉社
  • 発売日: 2018/01/11
  • メディア: 文庫



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哀愁的東京 [読書]

人生の節目節目に重松清。というか、「ああ自分もこういう感じなんだろうなぁ」と思わされる物語が多い。自分の人生と重ね合わせやすいのはなぜなのだろうか?

今回は新しい絵本が書けない絵本作家が、フリーライターとしていろいろな人に出会いながら、書けない自分と向き合い目をそらすお話。そしてどの出会いもハッピーエンドにはならない。人生ってそんなに切ない別ればかりですか?と思えるほどに切なくなる。
こういう感覚が「哀愁」なのかなぁと妙にしんみりと心に染みる。
絵本作家として賞をもらった一冊の本が、主人公の出会いに意味を与えていく。その物語の意味は明るく幸せでありながら、その背景は重くか悲しい。一つの物語が全く逆に見えるわけだ。
あの人、楽しそうだけど、客観的にみるとすごく寂しそうだってことはなんとなくわかる。そして自分の中のそういう部分を探してしまう。自分がさみしいとか苦しいと思っていることが、違う見方ができるんじゃないかって…。

主人公が同世代だからだろうか…。重松の見せ方がうまいのか…。

理由はよくわからないが、読み終わった後の哀愁がとても心地よい。





哀愁的東京 (角川文庫)

哀愁的東京 (角川文庫)

  • 作者: 重松 清
  • 出版社/メーカー: 角川書店
  • 発売日: 2006/12/22
  • メディア: 文庫



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君の可能性 なぜ学校に行くのか [読書]

1970年に書かれた本である。小学校の校長をしていた斎藤喜博が退職した後に書いた、中高生への教えであり、自分に言い聞かせる言葉であり、大人たちへのメッセージである。
内容に時代背景の古さを感じる部分はあるが、現代と何ら変わらぬ教育の問題を感じる。学校で貼られたレッテルに、可能性溢れる子どもたちはのっぺらぼうのような顔に変えられて、大人になっていく。可能性とは、芋ずるのように一つのものから次々と引き出されていくが、どんな可能性を学校で教師に引き出されるかによって可能性の宝庫である子どもの未来が変わってしまう。努力することで、自分自身を変えることが大切であり、辛いときに諦めずに努力し続ける子達を学校という場所でつくることができるというのである。
学校で子どもたちが集まり、刺激しあいながら、教師によりより良い方に伸ばされていく。努力できることが能力があることで、自分自身を変えていくことが立派であり、貧しくとも豊かに生きる子を美しという。そしてそれは学校だからつくることができる人なのだと。

さて、感染症対策で学校に行かない子達にタブレットで授業をする今、学校に求められるはやはりは人と人と学びあいなのだと思うが、どれだけの学校がそういう教育に重きを置いているのだろうか。


君の可能性―なぜ学校に行くのか (ちくま文庫)

君の可能性―なぜ学校に行くのか (ちくま文庫)

  • 作者: 斎藤 喜博
  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 1996/07/01
  • メディア: 文庫



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バスケの神様 [読書]

小説は読み始めるとすらすらと読めるからありがたい。平行して読んでた小難しい本は流し読みでは頭に全く入らないし、前へ進まない。そんなわけであきらめて図書館に返しました。するとこちらの小説を心置きなく読めるというもので...(笑)

高校生の部活動のはなし。中学時代に部活で課題を抱えて続けることをあきらめた主人公。強豪の付属から公立へ進路を変えて名もない田舎の高校へ。それから数ヵ月の物語。
分かりやすいながれで、単純で、さらさら読めたのはそのおかげかもしれない。
チームで何かをしようとした時の温度差は、部活やチーム競技、チーム組織で動いたことがある人ならわかる。そして、その経験やトラウマがまた次のチーム行動に影響を及ぼす。
同じものでもメンバーが違えば結果は変わる。だから、このチームで勝ちたいんだと思えるようになり、その思いを強くさせる。チーム競技の醍醐味でもある。
今回の物語はバスケを通してというよりも、その周辺にありは人間模様に光を当てた物語だった。





バスケの神様 揉めない部活のはじめ方 (集英社オレンジ文庫)

バスケの神様 揉めない部活のはじめ方 (集英社オレンジ文庫)

  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2016/08/19
  • メディア: 文庫



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イレギュラー [読書]

読み終わって素直に面白かった。
久しぶりにベットで読み始めて、眠れなくなり、そして、もう寝なきゃと本を閉じる数日でした。
災害と野球。野球やってる場合か?と今こそ野球でしょ?の中で、恵まれた高校生とすさんだ高校生がお互いを高めあっていく物語。
そんなことは起こらんでしょう?と思うことも多々あるけど、それが小説の良いところ。そして、こんなことが現実に起こったら面白いのにと想像を膨らませるのも楽しい。
師弟関係にある監督は遺恨を抱えながらも師を越えていく。教え子たちは環境を変えて切磋琢磨していく。被災者たちはその姿に生きる力をもらう。こう書くと安っぽいけど、読んでいくとしっかり物語の中のわき役一名になって楽しめてしまう。
今年の春の選抜はコロナの影響により、中止。その一つ一つのチームにはこれとは違う物語があり、そして次の夏へ向かう。いろいろな境遇の中で、活動する選手がいる。その代表者であるチームや選手が激戦を繰り広げる甲子園。そこまで駒を進められなかった球児にこそ光を当てる必要があるんだ。そして勝ち上がった者たちはそれを背負ってるということが成長につながっていく。
前向きになれる物語でした。






イレギュラー (角川文庫)

イレギュラー (角川文庫)

  • 作者: 三羽 省吾
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2010/07/24
  • メディア: 文庫



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いつか、君へ Boys [読書]

短編集。それぞれの作家らしい作品なのかな。
一つ一つは簡潔で読みやすかった。どれも中高生が題材になっている。ナツイチ作成委員会編だからかな。
恋があり性があり、家族や兄弟、友情などお題材にして謎解きや成長がかかれていた。
読み切り短編なので、話ごとに読みきった感があって一気に読みきるとはならなかった。後、数ページで結末かと思うと、やはり物語は「もう一声」と言いたくなるところで読者に疑問を残して終わっていく。つづきは各自といわれているような感じだった。


いつか、君へ Boys (集英社文庫)

いつか、君へ Boys (集英社文庫)

  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2012/06/26
  • メディア: 文庫






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ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー [読書]

新聞の記事で読んで気になっていた。
図書館に行くとあるので、借りてきた。読みやすい本で一日で読み切ることができた。
子どもの純粋さとまっすぐさ、そして、母親の対応のうまさを感じる内容だった。
イギリスでちょっと良い小学校に通っていた子どもがひょんなきっかけで地元の中学校に通うことになったことから始まる。まさに異文化の中で多様性をいっぱい感じながら多感な時期を過ごすわけだ。
そういう中でも、子どもはストレートでいてバランスがとれる。その下地をしっかり築いた母ちゃんが賢い。子どもの素朴な疑問にそんなにうまく答えるのか…と、感心してしまう。
そして、しっかり社会の大人としての意見は父ちゃんが言って、母ちゃんにバッサリやられるところがまた痛快だった。

特に引き付けられた会話。
「人種差別は違法だけど、貧乏な人や恵まれない人は差別しても合法なんて、おかしくないかな?そんなの本当に正しいのかな?」
「いや、法は正しいってのがそもそも違うと思うよ。法は世の中をうまく回していくためのものだから、必ずしも正しいわけじゃない。でも法からはみ出すと将来的に困るのはティムだから、それで罰を重くしたんじゃないかな」
「それじゃまるで犬のしつけみたいじゃないか」
こんな会話をわが家でもできる日が来るのだろうか…残念ながら我々親の側に、この返しをする能力がないのが残念・・・・。





ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー

ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー

  • 作者: ブレイディ みかこ
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2019/06/21
  • メディア: 単行本



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