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きみの町で [読書]

一人で飲みに行こうと思ったときに、楽天ブックから届いた封筒を開けて手に取った。
これなら読めちゃいそうだ。
それくらい薄い本だった。
僕の好きな?好みの?似た?重松作品である。短編集は飲みながら読むにはなかなか難しかった。つい、隣で話をしているひとに意識がいって内容がが頭に入らない。
そんな短編が繋がるときが来る。
これは哲学にくっついた小説なんだ。そう思ったら違う見え方がしてきた。短編がくっついてちゃんと一冊の文庫を構成している。
災害がもたらす切ない別れを表現し、自由と不自由を考えて...。

お迎えが来たから帰る。
現実へ...





きみの町で (新潮文庫)

きみの町で (新潮文庫)

  • 作者: 重松 清
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2019/06/26
  • メディア: 文庫



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きよしこ [読書]

本を紹介してほしいと言われた。
そんな時に、紹介するならこの本だと思っていた本がある。
「きよしこ」だ。重松清が、吃音のある少年の母から励ましの手紙を書いてほしいと頼まれて、手紙ではなく小説を書いた。
僕は吃音ではない。でも、小学校のころから自分の中に、恥ずかしいと思うところがあった。
そんな僕が大人になって、「きよしこ」と出会った。その時の何とも言えない思い。自分の欠点を抱えて成長していく少年の気持ちにとても励まされた…ような気がする。
なぜ、気がするなのか…それは具体的な内容はあまり覚えていない。そんな時にこのブログに頼ればよいと思っていた、ところがブログに記録もない。
記憶をたどるよりも、もう一度読むことにした。

きっと前とは僕の置かれている状況や心境が違うのだろう。
思っていたほど、励まされるような小説ではなかった。
でも、そうだよな、そうだよなって相槌を打ちながら読んでいる僕がいる。
吃音の少年は、自分の思いを伝える言葉を発することで恥ずかしい思いをするのを避けて生きてきた。そんな少年が、心の中ではすらすらとしゃべれる。こうやって重松清は生まれたんだな。
転校を繰り返しながら、たくさんの仲間に会うが、一つ一つのエピソードは自分の中で覚えておかないと、ずーっと一緒に過ごした仲間はいない。恥ずかしくて、どもる言葉から逃げてきた少年が、父親の言葉で自分の思いを伝える。それを応援する彼女の存在と別れ。あぁなんと切ない。

二度目に読んで、やっぱりこの本を紹介しようと思った。
人はそれぞれ自分の何かに劣等感を持ち、それを乗り越えようとしながらもだえ苦しんで成長する。そして、できなかったことを別の形で表現できた時に、それがちょっとだけどうでもよくなるんだと思う。つらいけど、苦しいけど、全部ひっくるめてバランスなんだよなぁ。






きよしこ (新潮文庫)

きよしこ (新潮文庫)

  • 作者: 重松 清
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2005/06/26
  • メディア: 文庫



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